小さな幸せ
玄関を出たところで惣が呟く。

「和実。ありがとな。」

「ん?」

「なんか、色々さ。」

「なあに?」

「いや、いい女だなお前。」

「何よ!今頃気がついたの?」

惣の背中をパシパシたたく。

「たたくなよ。褒めてんのに。」

ふふっ。

ふたりで顔を見合せて笑った。


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