小さな幸せ
セリがイケメンかと聞いて来るから、

イケメンに分類するには

可愛すぎると言ったのだ。


実際私は惣の外見が好きになったわけじゃない、

外見に似合わない物言いや、

安定感に私は惹かれたのだから。


「惣さんこう見えて、和実は凄くモテたんですよ。

 でも、

 鈍い天然で、皆玉砕したんですよ。」


「はは、分かります。」


「だから、この子は親とかにすすめられるまま、

 恋愛もせずに結婚するんだと思ってたんです。

 だから、こんな風にわっこが、

 和実が恋愛できて凄くうれしいんです。」


なんかほのぼのした雰囲気で、二人は話をして、

当の私は蚊帳の外だ。


「今日は貸し切りだからゆっくりして行ってくださいね。

 あ、うるさいのが来た。」


セリはそういうと厨房の方へ行ってしまった。


入れ替わるように 来たのは

旧姓小此木紀子、のっこだった。

のっこは惣の顔見るなり。

「ホントに焦げた小池徹平だ…」

と言った。


またかと呆れながら


「土方惣です。はじめまして。」


挨拶をした。



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