小さな幸せ
セリは仲間内で最も頭が良くて、

全てにおいてシャ-プな人だった。


彼女は、決して面倒見のいい方ではなくて、

自分というものをしっかり確立していて、

自分に厳しいし、人にも厳しい人だった。


ただ、何故だか私ををそばに置きたがり、

面倒見たがった

後で知ったのだが、昔飼った柴犬に似ていたみたいで、

気になってしょうがなかったがなかったらしい。


そんなこんなで、彼女のペット兼友人として

常に行動を共にするようになった。


それこそ彼女はモテモテであたしはいつも添え物のパセリ。


そこに、後からサ-クルに入ってきたのっこが

私達でこぼこコンビを面白がって加わって、3人組が完成した。


綺麗で賢いセリ、明るくて気のきくのっこはみんなの人気者で、

私達はいつも仲間やとりまきに囲まれて過す大学生活だった。


3人で過すのは楽しくて居心地が良かったけど、

この時代、私はいつも劣等感の塊で、

みんなに囲まれていられるのは、

この二人が魅力的だからなんだと思っていた。


多分この頃から、

『私なんて』

 って考える癖がついた気がする。


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