小さな幸せ
「先生私どうしてここにいるんでしょう?」

「職員室で倒れたのよ、あなた寝てないんでしょう。

ちゃんと寝なきゃだめよ。不摂生がたたると、女の子は色々身体に出るわよ。

細いし、顔色も悪いわ、ねえ生理とかちゃんと来てる?」

「そういえばもう3ヶ月くらい来てないような気がする。」

「近いうちに婦人科もしくは内科に行ってなにか処方してもらいなさい、

 ほっておくと大変なことになるから。」

高橋先生に送ってもらい家に帰った。

「ありがとうございました。」

「早く眠って身体を休めるのよ。」

「はい。」

「せ、先生、私を運んでくれたのは、高田先生ですか?」

「ええ、そうよあなたの担任でしょ?」

「あ、はい。」

「後でお礼言いなさい。」

じゃあと手を振り帰って行った高橋先生を見送りながら。

朦朧とする意識の中で確かに聞こえた

「大丈夫。」

と言う力強い言葉と、温かいぬくもりを思い出していた。

あれは夢?
< 271 / 297 >

この作品をシェア

pagetop