小さな幸せ
初恋、、、自分にもそんな日が来るなんて、

漫画の原稿中では、いっぱい描いてきたけどどんなもんなんだろ。

その日から、円の中には、高田Tのことで一杯。

寝ても覚めても高田Tの事ばかり。

これが恋煩いというやつだ。

円にとって、全てが初めてで新鮮で、非日常の世界で、

自分の事なのに、妙に冷静に自分を観察する自分がいて

意外な自分に戸惑った。

とはいえ、円には恋などに振りまされる時間は無い。

たとえ頭の中がどんなに高田Tの事でいっぱいでも、

変わることはない。

原稿を描く。

学校に行く。

それがデフォルト。

日々思いを募らせながら、円は時間の流れに

押し流される。


そして卒業を迎えたのだった。

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