小さな幸せ

最近の和実ちゃんは良くうたたねしてる。

お腹が大きくなってとっても疲れるらしい。

会った頃はペッタンコだったお腹が会うたびに大きくなるのは、

ちょっと怖い。

イソップ物語で、カエルのお父さんが子どもに牛を説明するのに

このくらい、もっと、もっともぉっとって空気入れて

パアアン☆

っていうの思い出しちゃう。

わ~~~んそんなのヤダよぉ

だから、和実ちゃんが好きだけど、

最近怖くてお腹を見られない。

保健でも、理科でも勉強して、

ありえないってわかってるけど

でも、やっぱり怖い。




「ぱああん!!」




「きゃあっ。」

耳を塞いで目も塞ぐ!!


「あはははっ!面白すぎ。毬乃お前本気で弾けると思ってるんだあ。

 いくつだよ~。」

あ、兄貴っ

「馬鹿兄貴!大っきらい!!」

「もう、惣また毬乃ちゃんからかったのね、、」

兄貴の笑い声で目を覚ました和実ちゃんが

呆れた顔で笑い転げている兄貴を見ている。

< 292 / 297 >

この作品をシェア

pagetop