小さな幸せ
「毬乃ちゃん来て。」

こわごわ近づくと和実ちゃんはそっとぼくの手を握って

お腹を触らせる。

「ひっ、、動いた。」

「ほら、空気じゃないでしょ?命。ちゃんと赤ちゃんがいるんだよ。」

「わ、ぼこぼこしてる。」

「うん、毬乃ちゃんによろしくって言ってるんだよきっと。

 友だちになりたいんだよ。」

お腹の中に命。

不思議だけど、すごくすごくすごいんだね。

『ここにいるよ。』

そんな風に言ってる気がした。

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