小さな幸せ
ぼくの手の隣からもう一つの手がお腹の上に乗っかって、

さっき意地悪な顔して笑った兄貴が優しい顔してあたし達を見てる。

「すごいね。生きてるって凄いね。」

「そうだな。」

和実ちゃんの手も重なって


「赤ちゃん早く出ておいで、パパも毬乃ちゃんも待ってるよ。」

優しい声で話しかけてた。


「ごめんね、赤ちゃん怖いなんて思って。

出てきたらいっぱい遊ぼうね。」


ぼくが話しかけたら、ぽこぽこと動いた。

聞こえるんだ!!
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