小さな幸せ
シネコンのレイトショウ

軽く食せるハンバ-ガ-とトルティ-ヤとドリンク

を持って、指定席に座った。


「映画終わったら軽く飲みにでも行こうね?」


覚君は人懐っこい笑顔で、軽くあたしの手を握った。


ホント、この人遊び慣れてるっていうか、

スマ-トっていうか、

若いころだったら絶対本気になって

ポイされてたと思うけど、

いい歳のあたしは、

このくらいじゃ相手が本気でないことぐらい

心得てる。


「そうだね、映画終わってその気になったら考えるよ。」


「さすがわっこちゃんガ-ド堅いね。」


くすくす笑う覚君

あたしも、つられて笑顔になって心が軽くなった。


その頃、

電源切った携帯に何度も着信が入っていた事には気がつけなかった。


だって、映画のマナーでしょ。




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