小さな幸せ
プ-ルサイドを掃除して、片付け作業をしながら、

「祐太郎はヤバいな~。」

と覚君が記録票見ながらあたしに向かって言った。


「え、記録凄い伸びたらしいじゃないですかあ。」


「ここんとこ伸び悩んでたくせに、

 わっこちゃん来たら張り切っちゃって。」


「へ~、私もちょっとは役に立ってるんだあ。」


「っまあ、そこはね。

 でも祐太郎には近づかないようにして。」


「どうしてですか?」


「恋する男だから。へたすりゃ襲われるよ。」


「またあ、覚君たらあ。小学生だよ。」


ばしばしと背中を叩く


「分かるよ、だって、

 俺と同じ目でわっこちゃん見てんだから。」


な、何言ってんのよ?


あわあわしてるあたしを見て

くすくす笑いながら

覚君が手を伸ばしてそっとあたしの頬に触れる。


「見てるよ。見学席。」


と耳打ちしてきた。


え?


見学席の人と目が合った

「ひじかたさん?」


見てるの知っててわざと~!?


更衣室でパ-カ-だけはおって、見学室に向かう、

「どうして?見に来てくれたのっ?」


「今日仕事早く片付いたし、定時は5時だから。」


「びっくりしちゃいました。でも嬉しい。」


「あのさ、その格好、

 君は慣れてるんだろうけど目のやり場に困るよ。」


「え、、あ、お見苦しいものをお見せして…ごめんなさい。」


「いや、見苦しくは無いけど…」


「着替えてきます。待ってて下さいね?」

< 67 / 297 >

この作品をシェア

pagetop