小さな幸せ
「どうだったの?お見合い。」

スイミングスクールの教務室。

レッスン前の待機中。

比較的自由なこの時間。

休憩時間もろくなないので、

唯一この時間がくつろげる時間。


花園藍ちゃんは私の同僚。


スタイルが良くってテキパキしてる。


もう1児の母。


「お見合いじゃないもん、紹介されて会っただけ。」


「それをお見合いって言うんじゃない。」


「え、そうなの?なんかの料亭で振りそで着てとか言うんじゃないの?」


「まあ、そういうのもあるけど?簡単なお見合いもあるでしょ。」


「え~~~、それは嫌だなあ。」


「何が。」


「折角なら料亭でフルコ-スが良かった。」


「あほか、もう終わったこと何言ってんの?」


「んで?気に入ったの?」


「そうだね、すっごく!」


「面食いのわっこが気にいるとなるとイケメンだよね?」


「あ、いや、どうだったかな?」


「は?会ったんでしょ?その人に。」


「うん、いっぱい話したしボ-リングもしたよ。

 あ、そうそうなんと200越えしちゃった凄いでしょ。」


「ねえ、それ駄目でしょ、100ぐらいでとどめなきゃ。

 男引くでしょうが!!」


「不味かったかな~。」

それほど、引くれたって気もしないんだけどな。
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