小さな幸せ
コツコツと窓を叩く音で目が覚めた、

此処何処だっけ?

首をかしげた彼女が立っていた。


とにかく分かってもらいたくて目いっぱい言い訳して

ひたすら謝った。


「もお、嫌われちゃったんだと思いました。

 この前いっぱい迷惑かけちゃったし、

 呆れられちゃったのかと…

 謝らない内に、会えなくなっちゃったりするのかと

 凄い怖かったです。」


そして、別れ際に、

「まだ、サヨナラはイヤなんです。」

と甘えてきた。


俺の事ぜったい好きってことだろ?


やっぱり、諦めなくて良かったと心から思った。


小学生のたわ言など信じるに当たらないのだと、ホッとした。


俺は調子づいて


「俺達付き合ってるんでいいんだよね?

 それとため口でいい?」

と言い、

彼女の言葉も待たずに、


「いい?」


と、キスをした。








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