小さな幸せ
惣さんは笑いながらでもまじめな顔で


「そういう部分もあるんだなって逆に嬉しかったよ。


 心の内面なんて、ホントは誰にもわからないんだよ。


 本人さえもね。


 ちょっとした場面で、

 ああそうだったんだって思い知らされるものなんだよね。


 何年振りだろな自分のために泣いたなんて。


 君は今日、

 俺の心の内側に触れたんだと思うよ。」


「それは、良かったの?」


「さあ、どうかなあ、これからの君次第なんじゃない?

 このまま俺を放り出すんだとしたら、

 酷い事だろうね。人間不信になるかも?」






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