小さな幸せ
「ま、まって、お願い…」


ちょっと困った顔をした惣さんが


「駄目?」


ぷるぷるしながら


「私ちゃんとしたことないの。」


「?初めてって事?」


「それが、分からなくって。」


「高校の時先輩と、、でも痛くって半分ぐらいで…多分その…」


「未遂で終わった可能性があるってこと?」


こくっと頷いて


「大学時も先輩と、先輩はしたって言ってるんだけど、

 酔ってて記憶がなくって…」


「…はあ、君はいつも無防備すぎるから…」

呆れた顔して、私を見る。


わ~~そうだよね、自分の事なのに分からないなんて、


「すみません。

 あの、だからちゃんとできないかもしれないし

 で、でもっ嫌いにならないで…」


「ふっ馬鹿だな…」


惣さんは腕を伸ばして私をギュウっと抱きしめて


「大事にするから。」


と囁いてまたキスをする。


さっきよりもっと甘くとろけるような深くて熱いキス。





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