赤い狼と黒い兎Ⅱ
フードを目深に被り、口の端を吊り上げた。
『そりゃ…悪かったな?』
「まぁ、これから働いてもらうんで別に構わないんですがね」
『……鬼か』
「それじゃ。また明日も宜しくお願いしますね」
『あーハイハイ』
「同じ時間に同じ場所で。あ、来る時も帰る時もスピード出しすぎないように」
『……とっとと帰れや』
野田は近くに止めてあった黒のクラウンに乗り込んで、暫くしてクラウンは動き出した。
「初日で20越えねぇ…」
「確か、見回り隊っての居なかったか?」