赤い狼と黒い兎Ⅱ



「…はっ!分かってるよんなこたぁ」

「言ってみただけだろ?端っからそうは思っちゃねーよ」

『………チッ』




勝ち誇ったように鼻で笑ってくる春架と麻友美にちょっとイラついた。




「バレないのかな?」

『あ?』

「朱雀だよ。意外に鋭いじゃん?」




確かに、深子の言う事は正しい。


唯兎はイチバン鋭いと思う…。




『バレねぇようにやるしか、ねぇじゃん?』

「…馨は唯兎と付き合ってんだよ?バレるのも時間の問題!」

『あーウルサイウルサイ。そんなヘマしないから』




バイクに鍵を差し込みエンジンを吹かす。


そしてそこから逃げるようにして家路についた。



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