赤い狼と黒い兎Ⅱ
「唯兎ぉ〜っ!俺に勉強を…!!」
「ヤだよ。おめぇ、教えてやっても一つも覚えねぇじゃねーか」
向日葵が唯兎の腰に抱き付くが、それを鬱陶しそうに引き剥がす唯。
……かわいそうに。
「「馨ちゃん!」」
『ん?』
「勉強…教えて…?」
「お願い!」
深子は上目遣いで、磨子は懇願するように両手を組んで目を潤ませる。
そんな双子にあたしはニッコリと笑みを浮かべた。
何を勘違いしたのか、安堵したような表情になる双子。
…あたしはそんなに甘くねぇよ…?