赤い狼と黒い兎Ⅱ
「馨〜…」
「いつまで寝込む気?」
顔に乗せていた雑誌を春架に取られ、眩しさに眉間にシワを寄せる。
『……安眠妨害』
「寝すぎ!ちょっと亜稀羅!アンタも何か言ってよ」
「俺は馨の味方だから」
輝かしいスマイルを見せてあたしのいるソファーに凭れて来る。
「…チッ。ブラコン共が」
『……昨日…結局何人だった…』
“はー”と息を吐いて起き上がる。
「んー…と、確か……」
「36」
琉樹がパソコンを見つめながらそう言った。