赤い狼と黒い兎Ⅱ
取り出したタバコに火を点け、ソファーに深く腰掛ける。
「倍?…厳しいなぁ」
「まぁ楽しいからいいけどね?」
なんだかんだ言ってもみんなやる気だから、どっち付かずでよく分からない。
するとガチャリと扉が開き、あたし以外が一斉にそっちを向いた。
双子だと思っていたあたしは、声を聞いて驚いた。
「馨」
『!』
扉に顔を向ければ、そこにはニッコリと笑った唯兎。
…何故にニッコリ…。笑ってる時の唯ほど、怖いものはないのに……。