赤い狼と黒い兎Ⅱ
思わずポロっと、タバコを落としそうになった。
だって…タイミングが悪すぎる…。
「お?なんだ。今日はお前1人なの?」
「まぁな?…アイツら、倉庫で遊んでるよ」
徐々に唯兎があたしに近付いて来る。
無言の圧力があたしに掛かってるような……。
「馨、ちょっといいか?」
『……あぁ、いいよ?』
タバコを灰皿に揉み消し、ソファーから立ち上がった。
『…総長部屋でいいね?お前ら、なんかあったら呼べ』
「りょーかい」
「馨…」
『亜稀羅も。…ね?』