赤い狼と黒い兎Ⅱ
心配そうな顔をする亜稀羅に笑いかけ、総長部屋の扉を開けた。
唯兎の話は大方想像が付いてる。
…いくら声を低くしたって、あれがあたしだって分かるだろう。
『ま…座りなよ?』
「……」
そう促すと少しだけ距離をとって隣に座る。
……分かりやすいなぁ?
『聞きたい事あるんなら聞きなよ。…分かったんならね』
「…っ。昨日の…あれは、お前らか…?」
やっぱり…バレてたか…。
『そうだよ。それに気付いたの、唯兎だけ?』
「いや…。ヒマと、若干朔弥が…」