赤い狼と黒い兎Ⅱ
な…きそう…?
『してないし』
「してたけど?そんなに俺とちゅーすんの嫌か〜?」
おどけたように聞いてくる唯兎に、あたしは苦笑いした。
バカ…。嫌な訳ないじゃん…。
その逆だよ。あたしとキスするの、唯兎は嫌じゃないの?
あたし、ちゃんと唯兎に釣り合ってる?
……なんて。いつからあたしはこんなに弱くなったんだろう。
「?、どした?」
『…別に?ただの寝不足』
「ふぅん…。なんなら俺が一緒に寝てやろうか」
ニヤッと笑う唯兎に1発食らわせたのは言うまでもない。