赤い狼と黒い兎Ⅱ
だいたい、普通の女の子が男に敵うハズ…―――
バキィッ!
『!』
目の前を、スローモーションのように倒れていく男。
その男を見下ろしてから彼女の“友達”だと言う女の子を見た。
「〝瑚雨〟!」
『わぁお……』
マジか。瑚雨じゃん。心配ないじゃん。
「えっ!?何で戻って来たの!」
「だって…心配で…っ!」
瑚雨に泣き付く女の子。
瑚雨は溜め息をつくと、あたしを視界にいれた。
一瞬驚いた表情をしたが、すぐに笑顔になり小さく会釈をした。