赤い狼と黒い兎Ⅱ
『…ちゃんと家まで送れよ』
「はい!ありがとうございました」
踵を返して、そのまま手を振って人混みに紛れた。
瑚雨の奴…、相変わらずだな。
「クロ」
「ク〜ロ〜」
「なんか、もう狩る奴いない」
「「“悪さしたら狼鬼に殺られる”って噂出回ってるみた〜い」」
「ここはもういいんじゃないか?」
あれが最後…か。
『そうだな。…野田に聞いてみるよ。今日は早いけど解散しようか』
「「「「「「りょーかい」」」」」」
その日はとりあえず、お開きとなった。