赤い狼と黒い兎Ⅱ
《朱雀…とかね》
『…てめぇ、今敢えて朱雀っつったろ?』
《いい機会じゃないですか。団結してみては?》
『おめぇ…くたばりてぇか?』
《滅相もない》
…チッ。
舌打ちをして息を吸い込んだ。
《もしもの事があっては、と言ってるんですよ》
『そうですか。…こっからはもう自由に動いていいんだな?』
《はい。その代わり、終わったら連絡はちゃんとして下さいね》
『りょーかいっす』
《それでは。》
そう言ってブチッと通話を切った。
『まーいーや。寝よ』
電気を消して布団に潜り込み、すぐに夢の世界へ旅立った。