赤い狼と黒い兎Ⅱ
────PM21:00
“喰”の倉庫へ出発する時刻を知らせるアラームが鳴り響く。
奴らが来る前に、あたし達は“喰”の倉庫に行く。
半数の人間が倉庫に残り、後の人間は一緒に狩りへと出掛ける。
「なーんか、変な集団だなぁ」
「いろんな意味で怖いな、この光景…」
「誰が誰だか分かんねー」
春架たちはバイクに跨がったまま、苦笑いを零した。
…まぁ、無理もない。みんな仮面をつけてるし。
鬼の仮面があれば、般若の仮面と結構幅広く仮面がある。
ホント誰が誰だか分かんねーな……。しかも怖いし。こんなんが襲ってきたら、……想像しただけで鳥肌が立つ…。
「さぁて、時間も時間だし。行きますか」
『お前ら目的を忘れるなよ』
「「分かってますって!」」
……双子が一番怪しいんだけどな。ま、いっか。
『行くぞ』
無数のマフラー音が倉庫中に鳴り響き、シャッターが開いたと同時に飛び出した。