赤い狼と黒い兎Ⅱ
「一員って…。いいのかよ?そんな……」
『まぁね。お前別に腐ってねぇし。…ここからまた一からやり直したっていいじゃん?』
リョウは少し目を潤ませ、また俯いた。
瑠衣兄の事はあたしがほぼ悪いし、その責任っちゃあなんだけど。償いも兼ねて。
「本当に…いいのか…?」
『ああ、いいよ。お前がやり直したいのなら』
「……やり直したい…」
『そっか。なら…っと、そうだ。』
そう言うと、2人の視線があたしに向いた。
『朱雀とmoon、どっちがいい?』
「へ……。なんだその選択肢!」
『いや…。だってお前昔っから朱雀に入りたいって言ってたじゃん?』
「選ぶとか恐れ多いわっ」
えー…なんだよ。別にどっちでもいいんだけど。同盟組んでるから倉庫行き来出来るし。
『朱雀なら、亜稀羅居るし。一緒にこっち来たっていいんだよ?』
「いや…俺まだ単車の免許取ってねぇし。つかまだ取れねぇから」
………あ、そっか。
『ふっ。ああ、そうか。お前まだ中坊だもんな?』
鼻で見下したように笑えば、悔しそうにして反論してきた。
「うっせーな!しょーがねぇだろ!取りたくても取れねぇんだし…」