赤い狼と黒い兎Ⅱ
やっと亜稀羅から解放されたあたしはソファーに深く座り、その隣にはやっぱり亜稀羅が座った。
「で、何の調査してたワケ?」
「“喰”が潰れた理由と、その傘下の事」
『“喰”……?』
その名前は最近までよく口にしていた族の名前。そしてそれはあたし達"狼鬼"が潰した族の名前。
それを何で唯兎達が調べて……?
「ま、あんま有力な情報は出てこなかったけど“狼鬼”が関わってる事だけは分かった」
「俺らが分かったのはこんくらい。後は朔弥に任したけど…」
「こっちも、それぐらいしか出てこなかった。」
何故、“狼鬼”を調べているのか。不思議なところだけど、その探し求めてる"狼鬼"が今目の前にいる事は確か。
…別に言うなって口止めされてる訳じゃないから言っても構わないんだろうけど。
『(今後動きにくなんないか、それが不安なんだよなぁ……)』
邪魔するような事はしねぇと思うけど…やっぱり、寝掘り葉堀聞かれそう。
ま、成り行きに任せよう。