赤い狼と黒い兎Ⅱ
「“狼鬼”…気になんの?」
「いや、本題はそっちじゃねぇけどな」
なんか、嫌な予感するなぁ……。てゆーか、さっきまで晴れてたのに今は曇ってるし。
「本題は“狼鬼”が潰した“喰”の傘下にいた連中だよ」
「……それが?」
「上が居なくなった事を良いことに、暴れまくってるらしい」
「それに、バカな事に“狼鬼”を潰そうとしてる」
…それは本当にバカだな。というか命知らずか。
あたしらに喧嘩売るなんて、ある意味すごい。
「何個くらい傘下あるの?」
頬杖をついてそう聞いた麻友美。
「軽く10は越えてんじゃねぇかな?」
「だから、余裕で1000人を越えてる」
「「マジでっ!?」」
1000人という人数を聞いて目を輝かせる双子。
…なんて言うか、単純だなぁ。