赤い狼と黒い兎Ⅱ
『麻友美!moonのメンバー全員呼んで』
「え?あ、はい!」
『春架、いつものアレ持ってきて』
「お…おおう」
『深子と磨子は学校に居る奴らを全員帰らせて。朱雀とmoonのメンバーはすぐに集合すよに言って』
「「い、イエッサー!!」」
『琉樹、“喰”の傘下調べて』
「了解」
テキパキと指示をするあたしに、朱雀のメンバーはポカーンとする。
まぁ無理もないか何も言ってないし。
てか青夜まで驚く必要ないだろ!
「何…?」
「今から戦争でも始まんの…?」
「まっさかぁ……」
あたしは振り向いてニコリと笑った。
『そのまさかだったりして』
「「……ええっ!?」」
あ、そうだ。朱雀にも手伝って貰わなきゃいけないから唯兎に頼まなきゃ…。
『唯兎、今から“喰”の傘下だった奴らがあたしらを潰しに来る。moonのメンバーも何人集まるか分からない。それに時間も掛かる。だから…今回は一緒に手伝ってくれない?』
唯兎は一瞬驚いた顔をすると、ニカッと笑ってあたしの頭に手を置いた。
「今回はってなんだ~?お前が力貸して欲しい時、いつでも手ぇ貸すぜ?」
『唯…』