赤い狼と黒い兎Ⅱ
まだ敵が来る気配はないな…。
『(さて、武器の問題はどうするか……)』
素手が当たり前だけど、人数が人数だからなぁ…。
こっちもそれ相応の人数が居たらいいけど。
「……マジか」
そんな声が聞こえて、振り返れば朱雀のメンバーが狼鬼の特攻服を凝視していた。
「お前ら…moonでも在り、狼鬼でも在んのか……」
「最強だな、お前ら……」
「今更?」
「うちらが強いのは前からだけどー」
「なんかちょっと見直した」
「「ちょっとかよっ」」
こんだけ和やかなのに、後で抗争しなきゃなんねぇとかめんどくせぇな…。
『ああ、そうだ。青夜』
「あ?」
『グラウンド貸してね。あと、終わったら野田サン来るから宜しくー』
「あぁ……はっ?なんて?」
『ん?』
「野田…?」
『うん、野田』
「……サツ来んのかよ!」
『うん、終わったら』
「マジか…。大丈夫なんかよ、それ…」
『うん、大丈夫』
「…あっそ」
青夜は何故かげんなりしてソファーに座った。
…?
なんだ、青夜の奴。サツ嫌いなのは分かるけど、バカな連中を捕まえに来るだけだからうちらは大丈夫だし。