赤い狼と黒い兎Ⅱ
下駄箱の前には、moonのメンバーと朱雀のメンバーがたむろしていた。
…ガラ悪…。でもここだけでも結構な人数居るな。
一度被ったフードを取り、見渡した。
「あ、総長!!」
あたし…と、違った。
俺に気付いた1人が、そう声を上げ無数の視線が俺に向けられた。
『お前ら、派手に暴れてもいいがケガはなるべくするな?いつも通り、守り守られろ。助け合え。いいな?』
「「「「はいッ!!」」」」
うん、いい返事。
『それと、moonのメンバーは悪いな?この前も働かせて今日も…』
「何言ってんすか!」
「総長が謝る事ねぇっすよ!」
「うちらはいつでも総長について行きますからっ!!」
嬉しい事言ってくれるねぇ…。
俺はこいつらの分まで頑張んなきゃな。ブランクがある分、ここでハッキリと復活した事を見せつけてやる。
俺はニッコリと笑って『ありがとう』と言った。
「「「「(総長が…!)」」」」
「「「「(笑った…!!)」」」」
なんて考えてるなんて知りもせずに、今度は朱雀に視線を向けた。