赤い狼と黒い兎Ⅱ
右目は、もしかしたら治るかもしれない。って医者から言われた。
でも、治すにはお金も時間も掛かる。
…ってなわけで、結局治さない事に決めた。
まぁ…右目は義眼になるけど。
眼帯ずっとしてるよりかはマシだ。
それに、あたしの右目は唯兎だからね。
……右目無くてもやっていけるけど。
亜稀羅は亜稀羅で、「俺が馨の右目」だの云々を唯兎に言っていた。
唯は終始笑顔で「だから?」と言ってた。
…笑顔がとてつもなく怖かった…。