赤い狼と黒い兎Ⅱ
雨が結構激しいな…。
外へ出て、淀んだ空を仰ぎカラカラと引き摺る音に再び前を見据えた。
その引き摺る音は、鉄パイプと金属バッド…。
“喰”とやることは同じ。
「ヒヒッ…どうも。黒狼、改め狼鬼の皆さ~ん!」
「おやおやぁ?朱雀も居るじゃねぇの」
「揃いも揃って潰されに来たかッ!」
“ギャハハハハッ”と下品に笑う奴ら。
人数的にはやっぱりあっちの方がかろうじて多いか……。
「こりゃあ一石二鳥だなぁ?狼鬼共に朱雀までやれるとはなァ……」
本当に潰せると思ってるのか?人数で対抗したところで、moonや朱雀には勝てない。
うちらは下っ端の面倒もみんなで見る。だから一人一人がものすごく強い。
そう簡単にはやられねぇ……。
今にも飛びかかりそうなメンバーを手で制し、一歩前へ出た。
『…これは、俺らに喧嘩を売りに来た。って事でいいのか?』
「あぁ?どう見てもそうだろ!」
「上が居なくなった今、俺らに怖いもんはねぇ!!」
男が言い終わったと同時に、後ろに居たヤツらが動き出した。
…全国2トップを敵に回すとはね。
『それならこっちも容赦はしねぇ…』
左右からメンバーが飛び出して行った。
また笑顔で潰してくんだろうなぁ。それ想像しただけで怖ぇ…。
特に双子。悪魔とはまさにアイツらの事。