赤い狼と黒い兎Ⅱ
『さぁて。こっからどーする?命乞いするか?残ったメンバーで』
「……っくそッ、お前ら!全員で黒狼を潰せッッ!!」
へぇ。良い度胸じゃん。
『ま…負ける気ねぇけど』
「1人で片づけさせねぇよ?」
横には不適に笑った唯が居るから、負ける気ねぇって言ったんだけど…。
『これは伝わってないな…』
「何?」
『いや。後ろ頼むね~って話』
「おう!まかせとけや!」
なんて2人で意気込んでものの5分。5分で片付いた。
すげぇ、ある意味最強だー。
『あ、もしもし、野田サン?今無事に終わりましたよー。え?怪我人?居ない居ない。掠り傷程度ばっかだから。じゃあグラウンドに落ちてる人達頼みますねー』
終わってすぐに野田サン率いる警察に電話し、俺らは濡れてる為ソッコー校内へ。
「つめてー!」
『掠り傷の人ー、手当てしたかー?』
「まだですー」
『バカモーン、何してんだー。おら、怪我してる奴!俺が手当てしてやるから今すぐ来い!』
「「「今すぐ行きますっ!!」」」
なんだ…?そんな手当てしてほしいのかよ?
『ほんと、単純な奴らだなー』
ある意味、一難去ってまた一難。
今月入って何回暴れてんだ~?これでもう何もありませんように…!
っつってほんとになくなったらどんだけ良いことか。
『あーあ。本当に~。何でお前らまで怪我してんだっ』
「そこは優しく"大丈夫ですかー?"って言うとこだよ、馨」
『顔面に蹴り入れてやろうか』
「「かおちゃん、ほっぺやられた~」」
はぁ…。世話の焼けるメンバーだこと。