赤い狼と黒い兎Ⅱ
お気に入りのXJを引っ張り出して、倉庫の表に出た。
メンバーもそれぞれお気に入りのバイクを出し、メットを被っていた。
『蛇行運転禁止ー。スピードも出し過ぎるなー。捕まりたくないだろ?』
「「イエッサー」」
『よーし、行くぞ~』
―――ブォン!
マフラーを吹かし、麻友美を先頭に走り出した。
あ、突撃訪問するから朱雀の奴らびっくりするかも。
まっ、いいサプライズになって面白そうだしいっか。
そして海岸沿いを少し走ったところで、朱雀の倉庫が見えてきた。
「おおー!結構デカいなー」
「うちらのがデカいじゃん?」
「まぁそれもそうか」
すると中から朱雀の下っ端と思われる男達が出てきた。
お…イカツイ…。
「なんだ?…お前ら」
「いやいや!白昼堂々襲いに来たワケじゃねぇっすよ?」
春架…その喋り方、喧嘩腰すぎる…。
「とりあえずー、ここにバイク置いとくのも嫌だから中に入れてくんない?」
下っ端くん達は何かを感じたのか、大人しくあたし達を中に入れてくれた。
…というか、麻友美のオーラが黒かった…。