赤い狼と黒い兎Ⅱ
たぶん…耳のいい亜稀羅なら、あたしのバイクだってすぐ分かるんじゃねぇか…?
ちょっとした悪戯心で、倉庫の中で思い切り吹かしてみた。
――ブォン!ブォンッ!
「は…うるさ!」
「あんたっ、いつの間にマフラー改造したワケ!?」
そう。実はマフラー変えたんだよね。暇があったとき。
すると2階の扉が勢いよく開いた。
上を見上げると驚いた顔をしている亜稀羅を発見。そして…飛び降りてくる。
「──馨っ!」
あたしの名前を聞いて、朱雀は悲鳴に近い叫び声を上げた。
うるさ…そんな驚かなくても…。
苦笑いしか出なかった。とりあえずメットとりますか。
すると周りからは“ホンモノだ…”とか“かっけー”という声がチラホラ…。
とりあえず(二回目)、笑っておいた。
「…何でまた?どうしたの?」
どっかから殺気を感じながらも、亜稀羅の質問に答えた。
『暇だったから』
「……つまり暇潰しに来たと?」
『うん』
「みんな暇人なわけ?」
『うん』
「馨はいいとして何でアイツらまで……」
「「亜稀羅、何か言った?」」
春架と麻友美の殺気にも怖じけない亜稀羅はある意味最強…、つか怖いもの知らず。
「あれ、馨じゃん!」
「てか勢揃い…」
「揃いも揃ってどーしたよ」
2階からみんなが降りてくる。
『暇人集団さ』
「は?」
バイクのエンジンを切って、バイクから降りた。
うちも結構派手髪多いけど、こっちも負けず劣らずだな~。
みんな面白そうだ。