赤い狼と黒い兎Ⅱ
『いい。後は元に戻すだけだな』
「エンジンから付ける?」
『んー…パーツから付けようか。それでエンジン付けて、マフラー弄ったら終わり』
そこまで辿り着くのに1時間も掛からないだろう。
「早いなぁ、いつもそんな感じなの?」
『いや?』
「弄る場所が少ないからな。そこまで細かくもやってないし」
『エンジンは細かくやったけど』
だいたい全部改造だったら塗装も入れて半日掛かるけど、今日はエンジンとマフラーだけだしそんなに掛からない。
もっと事細かにやれば話は別だけど。
「車は?」
『車は専門外。瑠宇の手元見るくらいだよ』
「俺はちょっとなら出来る」
なんて喋ってるうちにエンジン付け終了ー。次はマフラーだな。
音変えるだけだから、ちょっとパーツ付けてネジ閉めたら…。
『はい、完成~』
“おお〜!”という歓声と拍手の音。
よし、なかなかな出来栄え!最初よりはちょっといかつくなったかな?
『鍵貸して?』
「ど、どうぞっ」
そんなビビるなよ。