赤い狼と黒い兎Ⅱ
「つーことで!みんなで準備急げ~!」
「ま、そのために俺らが来たようなもんだし」
…いろいろ心配すぎるんだけど。みんないまだに固まってるけど大丈夫なのか…?
「さぁて、アンタ達!思う存分コキ使ってやるから!ちゃんと働きなさいよッ!!」
「「「「は、はいぃい!!」」」」
ワケも分からず働かされて…本当に大丈夫か…?
「準備は久美と志乃に任せて、馨メンバー呼んで幹部部屋来い」
『えっと…moonのメンバーもですか?』
「あったり前だろ!」
バシンッ、と強めに背中を叩かれ少し前のめりになった。
地味に痛い……。
剛さんは豪快に笑いながら幹部部屋に向かって行く。
その背中を見て恭ちゃんが溜め息をついた。
「大丈夫か?」
『まあ…』
「そっか。じゃ、上で待ってるね」
ポンと頭に手を乗せ、笑顔で去って行く恭ちゃん。
相変わらず紳士的……。とみんな呼びに行かなきゃ。
穏やかだけど何気に短気な剛さん。