赤い狼と黒い兎Ⅱ
どうせ横になっても寝れないのなら、起きて煙草でも吸うかな…。酒も残ってるし。
そう思ってソファーから立ち上がり、冷蔵庫から酒を取り出した。
唯一酒の強い亜稀羅も、かなりの量の酒を飲んでダウン。
ま、久しぶりだから仕方ないかもしれないけど。
すると、ガチャリと部屋のドアが開き誰かが入ってきた。
「う~…頭いてぇ……」
フリースを片手に頭を抑える唯兎が入ってきた。プラス痛そうに顔を歪めて。
『バカ飲みするから』
「あぁ…?」
おおっ、コワいコワい。
缶ビール片手にやれやれと溜め息を吐いて、ソファーに座った。
そして何故か隣に来る唯兎さん。
……なんなんだ、こいつ。さっき「あぁ?」とか人に喧嘩腰だったクセに。
『………。』
「………。」
おい、何で無言なんだよ。酒飲んでるからボーッとする気持ちも分かるけど。
眠いなら部屋行けよ。
…っていうか、寧ろ酔いを冷まして寝てもらった方がいいか…。
そう思って立ち上がると、パシッと腕を掴まれた。横の人に。