赤い狼と黒い兎Ⅱ
「馨チャン、教えてくれるって言ったのにぃ〜!!」
「お願い馨チャン〜!」
「「何でもするからっ!!」」
……何でも?
その言葉にニヤリと口角を上げ、人差し指を顎に添える。
『ほんとーに、何でもする?』
「する!します!」
『へー…。…いいよ。教えてあげる』
「「やった!!」」
その代償は、大きいからね…?
「馨、向日葵と龍希も…―――」
「いやッ!いい!俺自力でやるよ!!」
「お、俺もッ!」
唯兎の言葉を遮るように龍希と向日葵がそう言った。
「へぇ、自力で…ねぇ…?」
「そ、そう!」
「じゃあ、俺らは一切教えねぇからな?」
「えっ!?」
…テスト週間は、大変な事になりそうだ。