赤い狼と黒い兎Ⅱ
『あたしがアルバム作ろうって言ったからね…』
「えっ!?」
『何かあっても忘れないようにーって。歴代の写真全部載ってたんだよ』
「「マジ!?」」
何故かハモる龍希と向日葵に苦笑いして、また溜め息をついた。
あ〜、誰か保管してねぇのかなー…。達哉のバカに聞いても「そんなモンあったのか!?」とか聞いてくるし。アイツは本物のバカだな。
「馨ー…」
すると今にも死にそうな顔をしているメンバーが扉から顔を覗かせた。
……ゾンビか。
「馨の言う赤いアルバムは無いよ〜」
「疲れた……」
『お疲れ。わざわざありがとな』
「それはいいんだけど…。アンタ達なんか知らないの?」
麻友美がちょっとイラついたようにそう聞いて、みんなの返答を聞いてがっくりと肩を落としていた。
「そんな大事なアルバムを誰が持ってくんだよ?」
『あー?知らねぇよ。だから探してんじゃん』
「龍希ってバカだねー。アルバムもあんたが持ってたら面白いのに」
「バカは余計だ!それにアルバムがあるって今初めて知ったのに持ってるワケねぇだろ!」
そう言い放った龍希に、moonメンバーは驚きに満ち溢れた。