赤い狼と黒い兎Ⅱ



「うわぁ、懐かしい……」




左右から唯兎と亜稀羅が覗き込んで来て、ゆっくりとアルバムを開いた。




「あっ、これ初代だ」




1ページ目から初代面々がズラリと並び、抗争の時の写真や総会の時の写真、おふざけの写真とたくさん入っていた。



それは初代から7代目まで同じように撮られていた。




「すげぇ…歴代の写真が並んでる…」

「馨。8代目、ちゃんと記録(メモリー)に残してやれよ」




アルバムから目を離して要さんを見ると、曜さんも歩南さんもにっこりと笑っていた。


それにあたしも笑い返し「判ってますよ」と言った。




「悪いな、勝手にアルバム持ち出して」




申し訳なさそうな顔をして笑う歩南さんに、あたしはにこっと笑いかけた。




『盗まれるよりマシ』




そう言うと目を見開いてから「そっか」と笑った。



< 284 / 360 >

この作品をシェア

pagetop