赤い狼と黒い兎Ⅱ



「お前!ずりぃぞ!!」

『え〜?あたしは彼女さんのために言っただけですよ〜』




あははは、なんてわざとらしく笑えば曜さんと要さんに肩を叩かれて歩南さんは項垂れた。




「ほんと…馨だけは敵に回したくねぇ…」

「馨、それじゃ脅迫だよ…」




亜稀羅に苦笑いされてあたしは得意気に笑った。




『使えるものは使わないとね?歩南さん』

「………こっえーな。手、出すなよ」

『やだなぁ、歩南さんの彼女さんなのに出すわけないじゃないですか。むしろお話……』

「あー!うるさい!ほんとに報酬は何でもいいんだろうなっ?」




頬を真っ赤にさせて半ばヤケクソに言う歩南さんに、笑った頷いた。




「じゃあ……家だ」

『家?彼女さんと住む?』

「…………ああ」




間が長かったのはあえて触れないでおこう。曜さんと要さんに目を向けて2人の要望も聞いた。




「えっ!?俺らもいいの?」

「オレら特に何もしてないけど…」

『何でもいいですよ?』




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