赤い狼と黒い兎Ⅱ



にこりと笑うと2人は顔を見合わせて悩むポーズをとった。




「う〜ん…何でもか…」

「あ、じゃあオレ、家はこのままでいいから仕事欲しい!」




曜さんがはい!と挙手して言うと要さんも「お、俺も」と続いて言った。




『判りました。じゃあ、それで決まりですね』

「…馨?お前本当にそんなもん用意出来んのか?」

『出来ますよ?』




瑠宇に事情を話せば仕事はくれるだろう。家も、どこか良い物件を知ってるハズだ。瑠宇も一応、建築関係の仕事をしているし。




「やっぱお前だけは絶対敵に回したくねぇ」

『はいはい。もうそれ聞き飽きましたよ』




歩南さんがやるせないように呟くから苦笑いをこぼしてそう言った。




『それじゃ、そろそろ帰りますね』

「えー」

「もう帰んのかー」




残念そうに言う曜さんと要さんに笑って「会いたいなら総会へ来て下さい」と言った。



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