赤い狼と黒い兎Ⅱ
朱雀の倉庫に帰ると、みんないそいそと忙しそうに動き回っていた。
……なんだ?
「何か…総会の時並に忙しそうだね?」
「なんかあったのか?」
『なんか?』
…乱鬼がまた仕掛けて来たとか?いや、でもアイツらはmoonしか狙ってなかったし…。
しかも、今はそんな雰囲気じゃない。
「あっ、総長!馨さん、亜稀羅さん!」
忙しそうに動き回っていた下っ端の1人があたし達気が付いて声をかけてきた。
「おかえりなさい!」
「あ!おかえりなさいー!!」
『うん、ただいま。なんかあったの?』
そう聞くと「瑠宇さんが来てるんです」と言った。
………瑠宇が、来てるだと?
『なんで?』
「さぁ?…暇つぶしだ、とか言ってましたけど…」
「……瑠宇って、今忙しいんじゃなかったっけ?」