赤い狼と黒い兎Ⅱ
まさか、あたしがテキトーにやってるとでも思ってるの?
『判ってるけど、何か文句ある?』
少し殺気立って言えば、瑠宇は肩を揺らして緩く笑った。
「そ。ならいいけど」
『…それと、瑠宇に仕事ね』
「仕事?」
目をぱちくりとさせる瑠宇にコクンと頷いて内容を言った。
『家探してる人が居てね、彼女さんと住みたいんだって』
そう言うと左右にいる2人は「あ…」という顔をする。
『どっかいい物件無いかな?』
「おー…。一応探しとく」
『うん。あ、因みにその人歩南さんだから』
コーヒーを飲んでいた瑠宇はブッ!!と思い切り吹き出した。
『きったな』
「おい待て!何であたしを盾にしたんだ!!」