赤い狼と黒い兎Ⅱ



近くにいた春架の腕を引っ張って咄嗟に盾をつくった。




『近くにいたから』

「だからってなんであたし!?亜稀羅も唯兎も居るじゃん!」

『で、あと曜さんと要さんも仕事探してるからなんかテキトーに見つけて』

「聞けよ…!!」




チッ、舌打ちする春架を睨んで「風呂行ってこい」と静かに呟いた。




「お前…歩南達んとこ行ってたんだな」

『全部片付いたらまたみんな呼んで、総会しよう。歩南さんも曜さんも要さんも……嶽も』




あたしがそう言うと瑠宇は目尻を下げて笑った。




「そうだな」

「馨?あっちの方がやり手だよ?どうするの?」




亜稀羅がせんべいを食べながら目を丸くして聞いてくる。


せんべい食ってるよ…。




『どうもしないよ?あたしは乱鬼なんかに興味はないから』



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