赤い狼と黒い兎Ⅱ
―――ザーザーと降り続ける雨。とうとう、乱鬼と闘うこの日になった。
雨が降ってても、やり合うのは乱鬼の倉庫だからいいんだけれど。
「てめぇらッ!準備出来たか!!」
春架の声が倉庫中に響き渡り、倉庫にいるみんなの声が倉庫を震わせた。
今日は同盟や傘下を合わせて1000人以上いる為、人数がバカにならないほど多い。もちろん、同盟である朱雀も全員いる。
あたし達、狼鬼メンバーはいつも通りお面を被って顔を隠している。
『……琳、おもい』
「だって馨が可愛いんだもん!」
だもん、じゃねぇし。今のあたしのどこが可愛いって言うの。
はぁ…とやるせない溜め息をついて閉じていた目を開いた。