赤い狼と黒い兎Ⅱ
「去り際にめっちゃ鼻で笑われた…!」
『……』
何やってんだ琳の奴…。
隣でぎゃあぎゃあと騒ぐ向日葵が急に居なくなり、代わりに唯兎と亜稀羅がそこにいた。
「馨、もうみんな準備出来てるよ」
「いつでも行けるから」
唯兎と亜稀羅が交互に言ってきて、不思議に思いつつも頷いた。
向日葵はその辺に放り投げられてた。
『……春架』
「はいよ」
名前を呼んだだけで、何をしてほしいかわかる春架はある意味すごい。…まぁ、長年ずっと隣に居るからな。
椅子からゆっくりと立ち上がって真っ直ぐと歩く。
「全員整列ッ!!」